
院長ブログ
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入れ歯の種類について
2025.10.06
京都市山科区の歯医者、鈴木歯科医院の院長 鈴木貴之です。
今回は、「入れ歯の種類について」お話をしていきます。
目次
1.入れ歯とは?基本的な役割と仕組み
入れ歯は、歯を失った部分に人工の歯を装着して「噛む機能」「見た目」「発音のしやすさ」を回復させる治療法です。
インプラントやブリッジと並び、欠損補綴治療の代表的な選択肢のひとつであり、昔から多くの患者さんに選ばれている治療法です。
特に、外科手術を必要とせず、幅広い年齢層に対応できるのが入れ歯の大きな特徴です。
2.入れ歯の種類
①部分入れ歯
部分入れ歯は、歯を一部失った場合に使われます。
・構造:人工歯と歯ぐきを模した床(しょう)、そして残っている歯に固定するためのバネ(クラスプ)から構成されます。
・メリット:健康な歯を大きく削らずに済むこと。取り外しが可能で清掃がしやすいこと。
・デメリット:金属のバネが見えるため、審美性に欠ける場合があること。
日常生活に取り入れやすく、費用も比較的抑えられるため、多くの患者さんが利用しています。
②総入れ歯
歯がすべて失われた場合に使うのが総入れ歯です。
・構造:人工歯が歯ぐきを覆う床に並んでおり、口腔内の粘膜に吸着させて固定します。
・メリット:歯が1本もなくても噛む機能を取り戻せる。顔の輪郭や発音も改善できる。
・デメリット:装着に違和感が出やすい。噛む力が天然歯に比べて弱い。
総入れ歯は特に高齢の方に多く使用されますが、現在は技術が進化し、より快適で自然な装着感を得られるようになっています。
③ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使わない部分入れ歯です。
・特徴:特殊な樹脂を使用するため、見た目が自然で入れ歯と気づかれにくい。
・メリット:審美性が高く、金属アレルギーの心配がない。
・デメリット:強度や耐久性は金属製のものに劣ることがある。
「入れ歯を使っていることを周りに知られたくない」という方に人気があります。
④金属床義歯
金属床義歯は、床部分に金属を使用した入れ歯です。
・メリット:薄く作ることができるため、違和感が少なく、熱伝導性が高いので食事を美味しく感じやすい。
・デメリット:保険が適用されず、自費診療になるため費用が高い。
特に食事の快適さや装着感を重視する方に選ばれる傾向があります。
3.保険診療と自費診療の違い
入れ歯治療は保険でも自費でも受けられます。
・保険診療の入れ歯:費用が抑えられるが、素材や設計に制限がある。
・自費診療の入れ歯:審美性や耐久性に優れ、快適な装着感を追求できる。
患者さんの希望や予算、ライフスタイルに合わせて選択することが大切です。
4.入れ歯とインプラント・ブリッジの比較
歯を失った場合の選択肢は、入れ歯だけではありません。
・インプラント:外科手術で顎の骨に人工歯根を埋め込む治療。固定力が高いが、費用と手術の負担が大きい。
・ブリッジ:隣の歯を削って橋渡しする治療。固定性はあるが健康な歯を削る必要がある。
・入れ歯:取り外し可能で外科手術不要。費用も抑えやすい。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、歯科医師と相談して決めることが重要です。
5.入れ歯を長持ちさせるためのお手入れ方法
入れ歯は毎日使うため、正しいお手入れが必要です。
・専用のブラシで毎食後に洗浄する
・就寝時は外して洗浄液に浸ける
・定期的に歯科医院で調整を受ける
清潔に保つことで口臭や歯ぐきの炎症を防ぎ、入れ歯の寿命を延ばすことができます。
6.入れ歯治療を受ける際の注意点
入れ歯治療を受ける際には、以下の点に注意しましょう。
・初めは違和感があるが、慣れるまで時間がかかる
・痛みや外れやすさを感じた場合は自己判断せず歯科医院へ相談する
・定期的な調整でフィット感を保つことが大切
「作って終わり」ではなく、継続的に管理していく意識が重要です。
7.まとめ
「入れ歯の種類について」まとめると、
・部分入れ歯・総入れ歯をはじめ、ノンクラスプデンチャーや金属床義歯など多様な種類がある
・保険診療と自費診療で選べる範囲が異なる
・インプラントやブリッジと比較しながら、自分に合った方法を選択することが大切
・入れ歯は適切なお手入れと定期的な調整で長持ちする
入れ歯は単に「噛むための道具」ではなく、生活の質を高めるための大切な医療装置です。
ぜひ、自分に合った入れ歯を歯科医師と一緒に選び、快適な生活を送っていただければと思います。
当院では入れ歯治療に特に力を入れておりますので、入れ歯治療の際はぜひ当院までご相談くださいませ。