ブリッジ治療とは

2025.06.03

京都市山科区の歯医者、鈴木歯科医院の院長 鈴木貴之です。
今回は、「ブリッジ治療とは」についてお話をしていきます。

1.ブリッジ治療とは？

歯を失ってしまった場合、どのように治療を行うかはとても重要な選択です。
その中でも、ブリッジ治療はよく行われている治療法の一つです。
今回は、このブリッジ治療について詳しく解説し、治療の流れやメリット・デメリット、適応例などをお伝えします。

まず、ブリッジ治療とは、失われた歯の部分に人工の歯を取り付ける治療法のことです。
人工の歯は、周囲の健康な歯を支えにして固定されます。
ブリッジは、文字通り「橋」のような形をしており、失った歯のスペースを埋める役割を果たします。
主に隣接する歯を支柱として使用し、その間に人工の歯（ポンティック）を挿入します。
この方法により、失った歯を自然に補うことができます。

2.ブリッジ治療の流れ

ブリッジ治療の流れは以下のようになります。

①診察と検査
まず最初に、歯科医師が診察を行い、失った歯の周りの歯の状態や口腔内の健康状態を確認します。

②型取り
治療する歯を準備するために、隣接する歯の表面を削り、型取りを行います。
この型を基に、人工歯と支柱部分のブリッジを作製します。

③仮歯の装着
型取りが終わった後、仮歯を装着して日常生活に支障がないようにします。
この間に、作成したブリッジが最適にフィットするかどうかを確認します。

④本歯の装着
最後に、最終的なブリッジを取り付け、調整します。これで治療は完了です。

3.ブリッジ治療の種類

ブリッジにはいくつかの種類があり、治療対象の歯の状態や患者さんの希望に合わせて選択することができます。

・固定式ブリッジ
最も一般的なタイプで、隣接する歯を削り、その上に人工歯を固定する方法です。安定感があり、自然な見た目になります。

・モリブデンブリッジ
一部のケースで使用されることがあり、金属製の素材を使用したブリッジです。強度が高く、耐久性に優れています。

・メタルボンドブリッジ
内部は金属で外部に陶器を貼り付けたタイプのブリッジです。審美性が高く、見た目に自然な仕上がりになります。

4.ブリッジ治療のメリット

ブリッジ治療には以下のような利点があります。

・自然な見た目
目立たず、他の歯と自然に調和するため、審美的な仕上がりが得られます。

・食事や会話に支障がない
インプラントなどに比べて比較的短期間で治療が完了するため、食事や会話に不便を感じることは少なくなります。

・コスト面でのメリット
インプラント治療に比べて費用が安く、手術も必要ないため、多くの患者さんにとってアクセスしやすい治療方法です。

5.ブリッジ治療のデメリット

ブリッジ治療にはデメリットも存在します。

・隣接する歯を削る必要がある
健康な歯を削らなければならないため、その部分の歯が将来的に問題を起こす可能性があります。

・長期間の使用による劣化
ブリッジは人工歯であるため、年月が経つと摩耗や変色が発生することがあります。

・骨の退縮が進行しない
歯を支える骨の部分には影響がありません。
インプラント治療では骨の再生が促進されますが、ブリッジではその点が問題となる場合もあります。

6.ブリッジ治療が適応されるケース

ブリッジ治療は、次のような場合に適応されます。

・1～2本の歯を失った場合
隣接する歯が健全であれば、ブリッジ治療を行うことができます。

・周囲の歯に問題がない場合
支柱となる歯が健康であれば、ブリッジ治療は非常に効果的です。

・骨の状態が良好な場合
骨の状態に問題がなく、インプラント治療が難しい場合にブリッジを選択することがあります。

7.ブリッジ治療の費用

ブリッジ治療の費用は、使用する材料や治療を行う歯科医院によって異なります。
一般的には、保険適用のものと自費治療があります。

・保険適用のブリッジ
一般的な金属製のブリッジは、保険適用となり、比較的リーズナブルな価格で提供されます。

・自費治療のブリッジ
セラミックやメタルボンドなど、高品質な素材を使用したブリッジの場合、費用は高額になることがあります。

8.ブリッジ治療後のアフターケア

治療後は定期的に歯科医院で検診を受けることが重要です。
ブリッジがしっかりと固定されているか、隙間に汚れがたまっていないかをチェックします。

また、普段の口腔ケアとしては、歯ブラシやフロスを使用してしっかりと清掃を行い、ブリッジの周りに食べ物の残りかすがたまらないようにしましょう。

9.まとめ

ブリッジ治療は、歯を失った部分を補うために非常に効果的な治療方法です。
隣接する歯を利用して人工歯を固定するため、見た目や機能性に優れています。
しかし、隣の歯を削る必要がある点や長期間の使用による摩耗など、注意すべき点もあります。

治療を受ける際には、歯科医師と相談し、ご自身の口腔内の状態に最適な治療方法を選択することが大切です。
ブリッジ治療を受けることで、再び快適な食事や会話を楽しむことができるようになりますので、治療後のケアも重要です。