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院長ブログ

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歯の神経がなくなったらどうなるの?

2025.09.22

京都市山科区の歯医者、鈴木歯科医院の院長 鈴木貴之です。
今回は、「歯の神経がなくなったらどうなるの?」についてお話をしていきます。

1.歯の神経とは何か

歯の神経とは、歯の中心部「歯髄(しずい)」に存在する組織を指します。
歯髄には神経や血管が通っており、歯に栄養を運び、痛みや温度を感じる役割を担っています。
神経は歯の「センサー」であり「栄養供給源」でもあるため、健康な歯を保つうえで非常に重要です。

2.歯の神経を失う原因

歯の神経を失う主な原因には以下があります。

・深い虫歯:進行すると細菌が歯髄に到達し、炎症や壊死が起こる
・外傷:転倒や事故で歯が強く打撲され、神経が死んでしまう
・治療後の影響:大きな虫歯治療や歯の削合で刺激を受け、徐々に神経が失われることもある

3.歯の神経がなくなると起こる変化

歯の神経を失うと、いくつかの変化が現れます。

・痛みを感じなくなる
一見「楽になった」と思われがちですが、むしろ異変に気づきにくくなります。

・歯がもろくなる
栄養供給がなくなるため、乾燥して割れやすくなります。

・感染に気づきにくい
膿が溜まっても痛みが出ないことがあり、気づいた時には症状が悪化している場合があります。

こういった変化がありますので注意が必要です。

4.神経を取った歯の寿命は短くなる?

一般的に、神経を取った歯は寿命が短くなる傾向があります。
理由は以下の通りです。

・歯が割れやすくなる
・感覚がなくなるため噛む力の調整が効かない
・内部の変化に気づきにくい

そのため、神経を取った歯には被せ物(クラウン)をして補強することが多いのです。

5. 神経を取った後の見た目への影響

また、神経がなくなると、歯の色が徐々に変化することがあります。
特に前歯では、茶色や黒っぽく変色することがあり、審美的に気になる方も少なくありません。
その場合は、ホワイトニングやセラミック治療で改善することが可能です。

6.神経を取った歯を守るためにできること

神経を取った歯は、以下のようなケアで守ることができます。

・定期的な歯科検診でチェックを受ける
・被せ物や詰め物を適切に管理する
・歯ぎしり・食いしばり対策としてマウスピースを使用する
・歯に過度な力をかけないように意識する

7.神経を残す治療法はあるのか?

近年では「歯の神経をできるだけ残す治療」が重視されています。

・MTAセメントによる覆髄治療
・虫歯の部分的な除去で神経を温存する方法

これらはケースによって適応が限られますが、歯科医院での早期発見・早期治療によって神経を残せる可能性が高まります。

8.定期検診と予防の重要性

神経を失わないために最も大切なのは「予防」です。

・毎日の正しい歯磨き
・歯間ブラシやフロスの活用
・定期的なプロフェッショナルケア(クリーニング)
・生活習慣の見直し(食生活・歯ぎしり対策)

神経を取らざるを得ない状況を防ぐためには、予防的なアプローチが不可欠です。

9.まとめ

「歯の神経がなくなったらどうなるの?」についてまとめます。

・神経は歯の栄養と感覚を担っており、失うと歯はもろくなる
・痛みを感じにくくなるため、異変の発見が遅れることがある
・見た目や機能面でも影響が出るため、補強や審美治療が必要になる場合がある
・できる限り神経を残す治療を選択することが望ましい
・予防と定期検診が「神経を守る」最大のポイント

歯の神経は一度失うと元には戻りません。
だからこそ、毎日のケアと歯科医院でのチェックで「神経を失わないこと」を目指していただきたいと思います。
歯のことで何かありましたら、お気軽に当院までご来院くださいませ。

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