
院長ブログ
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歯によい食生活について
2025.09.16
京都市山科区の歯医者、鈴木歯科医院の院長 鈴木貴之です。
今回は、「歯によい食生活について」お話をしていきます。
目次
1.歯の健康と食生活の深い関係
「歯によい生活習慣」というと、真っ先に歯磨きを思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん正しい歯磨きは大切ですが、それと同じくらい重要なのが「食生活」です。
私たちが毎日食べるものは、直接的に歯に触れ、口腔環境を左右します。
さらに、食べ物から得られる栄養素が歯や骨をつくる材料になっています。
2.虫歯や歯周病を招きやすい食習慣とは
歯に悪影響を与える代表的な食習慣は以下の通りです。
・砂糖を多く含む食品を頻繁に摂取する
→プラーク中の細菌が酸をつくり、エナメル質を溶かす。
・ダラダラ食べ
→口の中が酸性に傾いた状態が続き、虫歯リスクが上がる。
・やわらかい食べ物ばかり食べる
→噛む力が弱くなり、唾液分泌が減少。歯周病や口臭につながる。
「食べる内容」だけでなく「食べ方」も歯の健康に大きく関わっています。
3.歯によい栄養素と食材
歯を強くし、口腔環境を整える栄養素と食材をご紹介します。
・カルシウム:歯や骨の主成分。牛乳、ヨーグルト、小魚、チーズ
・ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける。鮭、サンマ、干し椎茸
・ビタミンC:歯ぐきの健康維持。野菜、果物(特にキウイ・パプリカ)
・タンパク質:歯や歯ぐきを支える組織の材料。肉、魚、大豆製品
・食物繊維:噛む回数が増え、唾液分泌を促す。根菜類、りんご、ごぼう
これらをバランスよく取り入れることが、歯によい食生活の基本になります。
4.虫歯予防におすすめの食べ方の工夫
同じ食材でも、食べ方によって歯への影響は変わります。
・食後は水やお茶で口をゆすぐ
糖分や酸を洗い流す効果がある。
・間食は時間を決める
ダラダラ食べを避けることで口の中が中性に戻る時間を確保する。
・よく噛む食品を取り入れる
するめ、野菜スティック、りんごなど。噛むことで唾液が増える。
5.子どもに意識させたい食生活のポイント
子どもの歯は大人よりも柔らかく、酸に弱いため注意が必要です。
・甘いお菓子やジュースは特別なときだけにする
・牛乳やチーズなどカルシウムを積極的に摂取する
・よく噛む習慣をつけるため、硬めの食材も食べさせる
保護者の方が「おやつのルール」を決めてあげることが大切になります。
6.大人・高齢者が気をつけるべき食事習慣
・大人
忙しい生活でコンビニ食が増えると、糖質過多や栄養バランスの崩れにつながります。
意識的に野菜やたんぱく質を摂取するようにしましょう。
・高齢者
噛む力の低下によりやわらかい食事に偏りがちです。
柔らかい中でも繊維質や栄養価の高い食材を選び、必要に応じて歯科医院で義歯の調整を行うようにしましょう。
7.間食や飲み物との付き合い方
意外と見落とされがちなのが「飲み物」です。
・歯に悪影響を与えやすい飲み物
炭酸飲料、スポーツドリンク、甘いカフェオレ
・歯によい飲み物
水、お茶(特に緑茶はカテキンの抗菌作用あり)、無糖の炭酸水
また、砂糖入りのコーヒーや紅茶をちびちび飲む習慣も注意が必要です。
8.歯科医師が推奨する「毎日の習慣」
歯によい食生活を定着させるには、日常のちょっとした習慣が鍵です。
・食後は水でうがいをする
・夜食や就寝前の糖分摂取は避ける
・食事の最後にチーズやキシリトールガムを取り入れる
・定期的に歯科医院で食生活のアドバイスを受ける
これらを積み重ねることで、虫歯や歯周病のリスクは確実に下がります。
9.まとめ
歯によい食生活のポイントを振り返りますと、
・糖分の摂り方に注意し、ダラダラ食べを避ける
・カルシウムやビタミン類を意識して摂取する
・よく噛む食材を取り入れ、唾液を増やす
・子ども・大人・高齢者それぞれに合った食習慣を心がける
・飲み物や間食の選び方を工夫する
などになります。
歯によい食生活は、単に虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、全身の健康にも直結します。
毎日の食事を見直し、歯を守る食習慣をぜひ取り入れてみてください。