
院長ブログ
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歯周病とは
2025.07.15
京都市山科区の歯医者、鈴木歯科医院の院長 鈴木貴之です。
今回は、「歯周病とは」についてお話をしていきます。
1.歯周病の基本的な理解
歯周病は、歯を支える骨や歯茎に影響を与える病気で、主に歯周ポケットにたまった細菌が原因となって発生します。
この細菌によって歯茎が炎症を起こし、放置すると歯を支える骨が破壊されてしまうことがあります。
初期の段階では自覚症状が少なく、進行すると歯のぐらつきや出血が見られ、最終的には歯を失う原因となります。
歯周病は成人に多く見られ、特に40歳以上の方に多い病気です。
しかし、歯周病は早期に発見し、適切な治療を行うことで改善が可能な疾患です。
2.歯周病の原因とは?
歯周病の主な原因は、プラーク(歯垢)に含まれる細菌です。
プラークは食べかすや唾液の中の物質が歯の表面に付着したもので、放置すると歯石に変化します。
歯石はブラッシングでは除去できず、歯科医院でのクリーニングが必要となります。
また、以下の要因も歯周病のリスクを高めます。
・喫煙
タバコの煙は歯茎の血流を悪化させ、免疫機能を低下させるため、歯周病が進行しやすくなります。
・遺伝的要因
家族に歯周病の人が多い場合、遺伝的に歯周病にかかりやすい傾向があります。
・生活習慣
不規則な食生活やストレス、睡眠不足などは免疫力を低下させ、歯周病の発症を促進します。
・糖尿病
糖尿病があると、歯周病の進行が早くなることがあります。
3.歯周病の進行と症状
歯周病は進行度によって以下のように分類されます。
・歯肉炎
歯周病の初期段階で、歯茎が赤く腫れ、出血を伴います。痛みを感じることは少なく、早期に治療を受けることで完治します。
・軽度の歯周病
歯肉炎が進行すると、歯周ポケットが深くなり、歯茎が歯から離れてきます。出血や腫れが続きますが、まだ骨の損失はありません。
・中度の歯周病
歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が少しずつ失われます。歯が動き始めることもあります。
・重度の歯周病
骨が大きく失われ、歯がぐらついたり、抜け落ちることがあります。痛みや膿が出ることもあります。
歯周病の症状は最初は軽度で自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診を受けることが重要です。
4.歯周病を予防する方法
歯周病は予防可能な疾患です。
以下の方法を実践することで、歯周病のリスクを減らすことができます。
・正しい歯磨き
歯磨きは1日2回、2分以上かけて行い、歯と歯茎の境目を意識して磨きましょう。
・フロスや歯間ブラシの使用
歯ブラシだけでは届きにくい歯の隙間もきれいにするため、フロスや歯間ブラシを使いましょう。
・禁煙
喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙を心がけましょう。
・定期的な歯科検診
歯科医院でのクリーニングや検診を受け、歯石を除去することで、歯周病の予防が可能です。
・バランスの取れた食事
ビタミンCなど、歯茎の健康に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。
5.歯周病治療の流れ
歯周病の治療は、進行度に応じて異なります。
治療は主に以下の手順で行われます。
・歯科検診
歯科医師が歯茎の状態や歯周ポケットの深さをチェックし、必要な治療を決定します。
・スケーリングとルートプレーニング
歯石を除去し、歯の根の表面を滑らかにして、細菌の付着を防ぎます。
・再評価
治療後、歯周病が改善しているか再評価します。
・歯周外科治療
重度の歯周病の場合、歯周外科手術が必要になることもあります。
・メンテナンス
治療後も定期的に歯科医院でのチェックを受け、再発を防ぎます。
6.歯周病と全身疾患の関係
最近の研究では、歯周病が全身疾患に影響を与えることが示されています。
特に以下の病気と関係があるとされています。
・心疾患
歯周病が進行すると、血管が炎症を起こし、心疾患のリスクが高くなることがあります。
・糖尿病
歯周病が糖尿病を悪化させることがあり、逆に糖尿病が歯周病を進行させることもあります。
・妊娠中の問題
妊婦が歯周病にかかると、早産や低体重児出産のリスクが高まることがあります。
7.まとめ
歯周病は早期に発見し、適切な治療を行うことで予防可能な疾患です。歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きや定期的な歯科検診が重要です。
歯周病が進行すると、歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を与える可能性があります。
健康な歯茎と歯を維持するために、日々のケアを欠かさず、歯科医院でのチェックを受けることをお勧めします。
歯周病は怖い病気ですが、予防と早期治療で十分に管理できます。
どんな些細な症状でも、気になることがあればお気軽に当院までご相談ください。