
院長ブログ
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銀歯の危険性について
2025.05.12
京都市山科区の歯医者、鈴木歯科医院の院長 鈴木貴之です。
今回は、「銀歯の危険性について」お話をしていきます。
1.銀歯とは?
銀歯は、歯科でよく使用される金属製の詰め物です。
歯が虫歯や損傷を受けた際に、その部分に詰めて修復するための素材として広く利用されています。
特に保険診療でよく使われますが、見た目に問題があるため、主に奥歯に使用されることが多いです。
銀歯は耐久性が高く、長期間にわたり使用することができますが、その一方で様々なリスクも伴います。
今回は銀歯に含まれている成分やその危険性について詳しくお伝えしていきます。
2.銀歯の材料と成分
銀歯は、主に銀合金と呼ばれる金属の一種で作られています。
この合金には、銀、金、パラジウム、銅、さらには少量の水銀が含まれていることがあります。
水銀は、詰め物を作る過程で重要な役割を果たしますが、少量でも人体に有害である可能性があるとされています。
これらの金属が歯に直接接触するため、長期間使用すると人体への影響が懸念されることがあります。
次に、銀歯が引き起こす可能性のある健康リスクについてお伝えします。
3.銀歯が引き起こす可能性のある健康リスク
・金属アレルギー
銀歯に含まれる金属成分の一部がアレルギー反応を引き起こすことがあります。
特に、金やパラジウム、ニッケルなどがアレルギーの原因となることがあり、これが引き金となって皮膚のかゆみ、口内の炎症、さらには舌や歯茎の腫れを引き起こすことがあります。
金属アレルギーがある場合、銀歯を使用することで症状が悪化することがあるため、事前にアレルギーの有無を確認することが大切です。
・銀歯の劣化と有害物質の漏れ
銀歯は、長年使用することで金属が劣化し、ひび割れや腐食が発生することがあります。
この劣化が進行すると、銀歯に含まれる有害物質が歯や口内に漏れ出し、口腔内で悪影響を及ぼす可能性があります。
特に水銀やカドミウムなどの有害金属は、慢性的に摂取することが健康に害を及ぼすことがあるため注意が必要です。
・歯の周囲の健康への影響
銀歯が長期間使用されることで、周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼすことがあります。
特に、銀歯と歯の間に隙間ができると、そこに食べ物が詰まりやすくなり、細菌の繁殖を促進する可能性があります。
これが原因で、歯周病や虫歯が再発することがあります。
また、銀歯が口腔内で金属音を発することもありますが、これが不快感を引き起こす場合もあります。
4.銀歯を避ける方法と代替治療
・セラミック治療
銀歯の代替として人気が高いのがセラミック治療です。
セラミックは金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がなく、また見た目も自然な歯の色に合わせられるため、美容的にも優れた選択肢です。
セラミックは強度も高く、長期間使用することができるため、治療後のトラブルも少ないとされています。
・その他の無害な材料
セラミック以外にも、コンポジットレジン(白い歯の詰め物)やジルコニアなどの材料が使用されることがあります。
これらは、金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクがなく、また見た目が自然であるため、患者様にとって非常に魅力的な選択肢であると言えます。
これらの代替治療は、特に前歯に使用することが多く、銀歯の代わりに非常に効果的です。
5.銀歯を使用している場合の対策
もし既に銀歯を使用している場合でも、いくつかの対策を講じることで健康リスクを軽減することができます。
まず、定期的な歯科検診を受けて、銀歯の状態をチェックしてもらうことが重要です。
ひび割れや腐食が進行している場合には、早めに交換を検討することをお勧めいたします。
また、銀歯の周りに食べ物が詰まらないように注意し、歯磨きの際には特に銀歯の部分を念入りに磨くように心がけましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使うと、歯を守る効果が高まります。
6.まとめ
銀歯は長年にわたって使用されてきた治療法ですが、その金属成分や劣化によって健康リスクが伴うことがあります。
金属アレルギーや有害物質の漏れ、歯の周囲への影響など、注意が必要です。
しかし、セラミックやジルコニア、コンポジットレジンといった代替材料を使用することで、これらのリスクを回避することができます。
現在銀歯を使用している場合でも、定期的な検診と適切なケアを行うことでリスクを最小限に抑えることができます。
歯科医師として、患者様にとって最適な治療法を提案し、安全で健康的な口腔環境を維持していくことが大切です。
当院でもジルコニアを使っての銀歯をなくす治療を行っています。
歯やお口のことでお悩みでしたら、是非お気軽にご相談ください。